君に出会わなければ…







「あなた達、私が誰かわかっていてそんな口を聞いているの?
早くドアを開けなさい!茉莉に話があるの。」



来たか。

ほっとけばいいのに、自分が悪者のままじゃ気が済まないらしい。

私は目を閉じて、今の自分の状態をよく考えた。


結果はやはり変わらない。
お母様の相手をする体力は残っていない。

「溝口、申し訳ないんだけど…」


「わかっております。少々お待ちください。」


私が何を言おうとしたのかすでに理解していた溝口は、私が目を開けた時にはすでに、夕食のお盆を私の前に置いて部屋を出る用意をしていた。


「ごめんね。」


今日彼には2回も厄介なことを頼んでしまっている。

一つは病院でのこと。
二つ目は玄関でのこと。



「私、何してんだろうね。」