君に出会わなければ…





寝不足ですぐに眠りにつけたが、眠りが浅く家に着くまでに2度目を覚ました。


1度目は溝口がブランケットを掛けてくれた時、2度目は溝口が電話をしている声で起きた。


電話の相手はたぶんお父様だろう。


寝ぼけた頭で溝口の電話の会話を聞いていると、どうやら今日の病院でのことを報告しているようだ。


「はい。昨日お夕食後、高城先生のところに伺うと。いえ、ただお話をしに行かれるだけの予定だったようです。ここ2,3年受けられていなかったので、高城先生も念のためということで、おっしゃられたのだと思います。はい。後ほど送らせて頂きます。はい。失礼します。」


やっぱり溝口はずるいなー。


約束通り、私が言ったことはすべて伏せて報告する。
それでも検査を受けたことを伝えておく。
こうしておけば悪かろうと、良かろうと私が結果をお父様に伝えなくてはいけない。
隠し通すことは不可能だ。
お母様ではなくお父様に伝えたのは、お母様だと大騒ぎになるからだろう。結果を一緒に聞くと言いかねない。
そして絶対私が言わないと分かっている。

溝口という男はこういうやつだ。



またやられたな。

そう思い考えるのをやめると、また酔いそうになりすぐに眠りについた。