廊下を進んで行くと、いつもの事だがみんな道をあける。



私たちが通る廊下は今も昔も変わらず、いつもうるさい。



でもここ2ヶ月で変わった事は、廊下がどんなに混雑していても誰も私たちが通る道に人は立っていない。



当たり前になりつつあるこの環境に、毎日不愉快しか感じないし教室から出る事を自然と避ける。



それは決してこれだけのせいではない。



気のせいとは錯覚できないくらい、確実に私を見てコソコソ話す声が聞こえる。



あえて聞こえるように話してるとしか思えない。



『後継者』、『内海グループ』、『奏志郎』



このワードを聞かない事はない。