こちらを振り返って待っていてくれた親友にそう言うと、彼女はすでにそのつもりだったようで何も言わずに頷いた。



鞄からお財布とタオルを取り出して立ち上がる。



「ごめんね、お待たせ。」



「行こっかっ!」



そう言って出口に向かう彼女に続いて廊下に出ると、予想していたよりも多くの生徒で廊下はにぎやか。



思わず顔をしかめてしまう。



「茉莉、怖い顔しないでよ。」



親友はそんな私の顔を見ると、苦笑いを浮かべながら私の顔をつねった。



頭を振ってその手を振り払って、彼女を軽く睨んで言った。



「この騒音の中、笑っていられる方が私は怖いよ。」



「いつもの事じゃない。」



「いつもの事でも、いつまでも慣れないしこんなの慣れる気はないよ。」