「茉莉、お昼食べに行こっ!」



そう言って、後ろにいる私に声をかけた親友は、どうやらすでに準備万端の様子。



私は、少し長引いた授業の先生が最後に言った一言をメモしている所。


あの感じは、必ず期末試験で出すだろう。



「ちょっと待って…、よしっ。


オッケー、終わったー。


ごめん、今準備する。」



「ゆっくりでいいよ。


授業押したせいで、カフェテすでに混んでそうだし。」



カフェテとは、カフェテリアの事。


中高一貫のこの学校には給食は無く、各自でお昼を持参する事になっている。


持って来ない生徒は、高校生が主に使うカフェテリアで昼食を済ませる事も可能となっている。


それでなくても高校生の利用者で混んでいるのに、そこに中学生が加わるともう大騒ぎ。


少しでも出遅れた今日なんて、廊下に出るのも億劫になるほどの混雑。


「今日は売店でいいかな。」