そこまで言ってお父さんから離れて、お父さんの目を見た。
「お父さん、お願いが2つあるんです。」
お父さんは何も言わずに私を見ている。
私は泣きそうになるのを堪えて言った。
「1つ目は、お父さんが覚えていてください。
私がそんか事を考えてたって事を。
私も、普通の女の子みたいな生活を送ろうと考えたこともあったって事を。
2つ目は、
きっと私は、夢見た事を忘れて、これからの生活が嫌になって逃げ出そうとすることがあると思うんです。
そしたら思い出させてほしいんです。
自分から手放したんだって事を。
夢を捨てたわけじゃない、家族を守ろうとしたんだって事。
自分のために生きるんじゃなくて、人のために生きるお父さんの様になることが、1番の目標なんだってこと。
そしたらやり遂げられる気がするから。
誰かがわかってくれているって事が何よりの支えです。」
私の頬に涙が伝った。

