でも、あんたの発言次第では、
私は予想を超えることを言う事になる。
お願いだから、私にそれを言わさせないで。
「こっちに来て。」
顔を見る事なくそう言うと、奏志郎は重い足取りでこちらへ歩いて来た。
私の横に来て立ち止まった。
私は奏志郎の方を向いて、無言で奏志郎を見つめた。奏志郎は俯いて私の顔を見ない。
お父さんもお母さんもおじさんも溝口も、何も言わずに私たちを見守っている。
「何かこの状況で言う事ある?」
そう聞くと、奏志郎は顔を上げた。
「何か用?」
その言葉で私は決断を下した。
タイムオーバーだよ、奏志郎。
もうあんたの味方は、私にはできない。
ごめんね、
奏志郎。

