「今回、奏志郎くんは危険ドラッグの服用の容疑でこちらに来てもらいました。
検査したところその様な反応はなかったので、奏志郎くんはお帰りいただいてかまいません。
ただお友達は反応がありましたので、一緒にいた関係者として事情を聞きたかったのですが、弁護士の方がいないと話さないとおっしゃっていまして。
ご家族の方にご相談してからの方が良いかと思いまして。」
「申し訳ございません。息子はどの様なところにいたのでしょうか?」
「危険ドラッグが売買されてるとリークがあったバーです。
そこに何人か張り込んでいたら、奏志郎くんたちがいまして。
売人と接触していたので、その場で現行犯逮捕しました。」
お父さんは頭を抱え込みそうになるのを必死で抑えているのだろう。
奏志郎たちが座っているところから、少し離れたところで話しているお父さんたち。
そこからまた少し離れた入り口付近に立っている、私と溝口。

