おじさんはいつの間にかスーツ姿で、車の運転をしている溝口の横の、助手席に座っていた。 ゆっくり動き出した車の中で、お父さんに聞かれた。 「あまり無理をしないようにと言われました。」 嘘ではない。 ただ無理の意味が少し違うだけだ。 そう言い聞かせて平気な顔をしていると、お父さんも信じてくれたようだ。 「奏志郎は何をして、警察の厄介になっているんですか?」