君に出会わなければ…









「相変わらず、病院内も派閥争いか。


どの世界も変わらないな。」





そう軽く笑うお父様と、「そうですね。」と笑みを見せる柚葉のお父さん。





お母様をチラッと見ると、少し気まずそうだ。





そんな話をしていると最上階に着いた。





エレベーターですら少し負担になる今の私は、多少疲れを感じた。






「茉莉ちゃん、大丈夫?」





エレベーターを降りるときに高城先生に聞かれた。






「大丈夫。」






そう答えて、お父様たちについて行った。







院長室と書かれた部屋に案内されると、私がこの間検査した時に撮った写真が、ボードに貼られていた。