そうお父様が言うと、柚葉のお父さんは「いいんですよ。」と言った。 「彼らは論文を書いて、出世することばかり考えている者たちです。 ほとんど診察は、高城先生のような若い先生に任せてるんです。 腕が鈍った年寄りよりも、若い先生の方がいい診察をして下さる。 今回は内海様が来られるという事を聞きつけて、ご機嫌とりにきたのでしょう。 」 別に嫌味を言っている感じを出さずに、淡々と事実を述べる柚葉のお父さん。 ああ、この人は柚葉の父親だ。 そう思ってしまった。