よくよく家族を観察してみる。
ふと奏志郎を見る。
そういう事か…
奏志郎の表情を見て、父の意図がわかった。
その時、どこまでもこの家での私の居場所はない事を痛感した。
この身に染みて感じた時、疲れが押し寄せてきた。
父が何を意図していった言葉か、奏志郎はわかっていないだろう。
数分黙ってはいたが、父を睨みつけて言った。
「今までの時間はなんだったんですか。
習い事を散々させられて、自由な時間もなかった。
それは無駄になるという事ですか。」
呆れる。
黙っていたから何かまともな事を言うのかと思ったけど、こいつはどこまでも自己中心でしか考えられないとことんハッピーな奴だ。
誰のために私が犠牲になっていると思ってるんだ。
「奏志郎、落ち着きなさい。」
父のこの発言に対して、黙っているはずのない母がここまで沈黙し続けていたのは、この話の本当の理由がわかっているからだ。
この2人はグルか。
もしくは奏志郎を手に負えなくなって、父に母がけしかけたか。
どちらにしろ、私には到底付き合いきれない茶番である。

