溝口は何も言わずに微笑んだままだったが、確実にそうだろうな。 私も薄々そうだろうとは思ったが、迷惑をかけたのは私だしこれくらいは協力しないとね。 「そういえば、奏志郎は帰ってきたんですか?」 そう聞くと、お母様の顔が曇り、お父様の顔があきれ顔に変わり、溝口親子の顔は一気に無表情になった。 「帰ってきていないけど、どこにいるかはわかっていると。 でも連絡がつかない。」