君に出会わなければ…








そう言って溝口の方を見た。



こいつ結構おしゃべりだな。




「そういえば叱られたといえば、溝口も溝口さんから叱られたのよ。


あなたにいくら頼まれたかって、黙っておくつもりでいたことについて。」




それは申し訳ないことをしたな・・・。




「ごめんね。殴られた?」





そう聞くと、溝口は微笑みながら、「これからです。」と言った。





こいつは・・・。



普段見せない笑顔しやがって。






「おじさん、溝口なにかしたら、一生許さないからね。」





そうおじさんに釘を刺しておいた。




「承知いたしました。




溝口、命拾いしたな。



わお嬢様が目を覚ますまで処分を伸ばしてくれとは、これを狙っていたのか。」