今日は家で夕食をとる。





父からそんな連絡がきた今日は、何か嫌な予感がしていた。






いやな予感というのはよく当たるものだが、今回もドンピシャに当たった。







「今日は二人に話があってな。」






突然食事をやめた父の言葉に、奏志郎も私も食事をする手は止めずに耳だけ傾ける。が、父の次に一言に、奏志郎は手をとめた。









「今日の役員会で、後継者の話が出てな、来年の3月までに正式に発表することになった。」











会社の事か・・・。









この瞬間、私の耳は父の言葉を自然と遮断する判断に至った。









私には関係のない話だ。









そう思い耳をふさぎかけた時、私までも手を止める羽目になった。