入学式で、新入生代表挨拶を淡々とこなした秋。 回りの女の子はもちろん、男の子さえも魅せられた。 階段を上がり、マイクの前に立った瞬間に見せた 秋の、何もかもを癒すかのような笑顔。 まるで天使。 けど、あたしには 悲しみで疲れた、羽の無い天使に見えた。 「代表――――水谷秋」 この人だ。 そう、直感的に感じ取った。 まるで運命のようだった。