私も吉水さんの視線を追うように 廊下の奥に視線を送り、 歩き出す。 静まり返った廊下に、 私の足音だけが響く。 その静けさと 真っ白な廊下が かえって落ち着かない。 駆け出したい気持ちを、 〝無理しちゃ駄目だ〟と言った 吉水さんの言葉が抑える。 大丈夫、 落ち着け。 大丈夫、大丈夫。 呪文のように繰り返し、 目の前に扉が見えると、 ホッとした。 そして、 〝笑顔〟で扉を開けると 「遅い!」 飛び込んできた大きな声に、 私は思わず一歩後ずさりしてしまった。