紘夜様のお兄様である、暁弘様。


フォーマルなスーツを着こなす、
綺麗な立ち姿。

お客様と話す端整な顔は、
適度に笑顔をのぞかせ、受け答えする。

いつもの完璧な姿。



でも、

眼鏡の奥の瞳は、
冷ややかに凍っているようにさえ見える。


いつも以上にーー




時折、
睨む様に扉に向けられる微かな視線を、

私は知っていた。




それは、


暁弘様が紘夜様を見る目に似ていた。