実織への態度と容姿で 女慣れしてるように見えて、 心の中で 〝実織に近づくな〟 などと思っていた。 だから、 紘夜の見舞いに行く実織が気になってしかたなかった。 あの病院には、 〝狼が二頭〟もいるのだから。 『ーー君?準君、』 呼ばれ慣れない口調で、 ハッと、 現実に戻る。 「あ、えっと、すいません…何か…」 と、尋ねようとして、 気付く。