ダイヤモンドの誘惑

・・・

オレに気付いたかすみは、

一瞬だけオレを見て、

パッと視線を逸らした。

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「社長、こんな時間に何の用ですか?」

・・・

そう言ったのはもちろん上田。

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「その子を迎えに来たんだが?」

オレの言葉に上田は微笑んだ。

・・・

「安藤さんですか?

社長直々にお迎えとは、

どういったご関係ですか?」

・・・

しらばっくれやがって。

・・・

オレの車が、

何度も店の前に止まっていたのは、

知ってる筈だ。

「それを君に言う必要はない。

それより、かすみの手を離せ」

そう言ったオレは、2人に一歩

近づいた。