それから長い間、亮太くんと目があった。

それはもう時が止まったかのように-------、

周りの音が聞こえなくなって、亮太くんしか見えなくなった気がした。

あたしと亮太くんはどちらともなく一緒のタイミングで目をそらした。

目があっただけなのに鼓動が速くなった。

あたしは真帆と一緒に階段をおりた。

結局、真帆は輝先輩に話しかけなかった。

少し残念に感じながらも、BOXを見に行って、当然だけどなにもなかった。

教室に戻ろうと思ったけど、図書室に寄った。

なにかいい本ないかなー、って探していたけど真帆が「これ読んでみればー?」って言って持ってくる本はおかしな本ばかりで。

たとえば、ゴリラの図鑑とかチンパンジーの表紙の本とか。

なにも借りられずに図書室を出た。

図書室を出て階段の前を通り過ぎようとしたときに、ふと亮太くんの声が聞こえた気がした。

ピタッと止まると真帆が不思議そうな顔をしてあたしを見た。