「ごめんね。なんか不安になること言っちゃって」

そういって佐波はあたしに謝ってくれた。

『ううん!!大丈夫だよ』

あたしは作り笑顔で佐波にこたえた。

大丈夫じゃないよ。

不安でいっぱいなんだよ。

高校に入ったら亮太くんの好きな人ができるかもしれない。

中学でも亮太くんが女子のクラスメイトとどんなことをしているのかなって気になるのに。

高校なんて、わからない。

どんな人が高校にいるかなんてわからない。

亮太くんがどんな人とどんなことをしているのかなんてわからない。

あたし、嫌な女だなぁ。

高校と中学の差が、遠い。