「彼方呼ばなくていいの?」 『いいの。さっき行ってきたから』 「え……?」 『ちゃんとふられてきた!!』 ニカッてあたしは笑いながら言った。 だけど亮太くんにはあたしが無理して笑っているように見えたのか、 「大丈夫?」 なんて言ってる。 『大丈夫だよ』 あたしがそう言ったら沈黙が続いた。 あたしは沈黙が続いているときに、あることを思っていた。