栞奈side

ビー!!

試合終了のブザーが鳴り響く。


あたしはベンチから立ち上がりながらコート内の部員達を見る。


「栞奈」


大和があたしの名前を呼び、嬉しそうに微笑む。


「大和……」

「これで準決勝進出決定」

「うん!」


大和がスランプから立ち直り、いつもの……ううん、それ以上の力を取り戻した青桜は準決勝まで上り詰めた。


「よかったな、大和が試合に戻って来れて」

「蓮ちゃん……。
蓮ちゃんのおかげだよ」


蓮ちゃんは毎日毎日大和に付き合って特訓をしてくれた。

そんな蓮ちゃんのおかげで大和は見事に復活。


「ご褒美にキスでもしてやったら?」

「え!?ちょっ……蓮ちゃん!?」


蓮ちゃんの言葉に一人顔を真っ赤にして焦るあたし。

そんなあたしを見て笑う蓮ちゃん。


もうっ………。