母さまも一緒に謝って下さったおかげか、お父上さまにもさほど叱られず、「当分 外出を控えるように」とのお言葉と注意だけで済んだ。
ホッと胸をなでおろした私。
お部屋から下がるとき、お父上さまに声をかけられた。
「おゆき。八十治にも もう一度、きちんと詫びておきなさい。
自分が居なかったことを悔やんで、ずっと お前を探しまわっていたようだぞ」
………兄さまが?
「はい、わかりました……。お父上さま、この度のこと、本当に申し訳ありませんでした……」
深々と頭を下げて、母さまと一緒にお部屋から退出する。
「お腹 空いたでしょう?早く食べておしまいなさい」
母さまにそう言われ、私は台所へ向かうことにした。