お姫様に花束を


「あ……そうだ、リオン。
パパラッチ……もう落ち着いたみたい。
だから……いつ戻っても大丈夫な状態みたいよ」


……私がそう言うと、リオンはテレビから私へとゆっくり視線を移した。


「……そうか」

「……うん」


…………沈黙。

上手く会話が続かない……。

視線は交わっているのに……口がどうしても動かない……。


「……あの、さ……」


……先に口を開いたのはリオンだった。

リオンはまっすぐ私を見つめる……。


「……この前、言いそびれたけど……。
……俺……カノンのこと………」


リオンの視線がまっすぐ私に注がれる……。

その視線に胸が熱くなる……でも……


「…………ダメ」


……私が放った言葉にリオンが驚き……言葉を止める。


「……それ以上……言わないで……」


少し震える声で……告げた。