事態も落ち着いて、町民達はゾロゾロと自分の家へと帰って行った。
この場に残ったのはゲンさんだけになった。
「……カノン。
いや……カノン様。
お前さんは……やはりこの町のことを真剣に考えてくれておったのか」
「……皆さんがデモを起こす理由が何なのか……知りたかったんです。
きっと、それを知らなければ力で抑え込んだって何の解決にもならないから……」
カノンの答えに、ゲンさんは嬉しそうに目を細める。
「お前さんみたいな指導者がいてくれたら、きっとこの国も安泰じゃな」
「そんな……。
私なんてまだまだで……」
カノンはそう言うと、ハッと何かを思い出したようにゲンさんを見た。
「そうだ……ゲンさん」
「何じゃ」
「一つ聞きたいことがあるんですけど……いいですか?」
「こんな老いぼれで分かることじゃったら……」
すると、カノンは急いで別荘の中に入る。
そして、すぐに戻ってきたカノンの腕には……あのアルバムが大切そうに抱えられていた。
「それは……」
そのアルバムをゲンさんが驚いた表情で見つめる。

