お姫様に花束を



俺達も町民達もほのぼのとした空気になった中。


「カノン王女。一つだけ聞きたいことがある」


ある人物が町民達の間から俺達の前へと出てきた。

その人物を見て俺達は少し驚いた。


「ゲンさん……?」


ゲンさんはカノンの前に立つとじっとカノンの目を見つめた。


「……聞きたいこと……とは?」


カノンが恐る恐る尋ねると、ゲンさんは小さく息を吐き……にっこり微笑んだ。


「お前さん、まだ秋の名物までしか知らんだろう」

「……え?」

「ほれ、今日は秋と冬の名物を案内すると言ったじゃろうが」

「あ………」


そういえば……確かに、そうだ。

予定が変わって建設予定地の方に行ってしまったけど……。


「この町のこと……最後までちゃんと知ってもらわんとな。
……のう、皆?」


ゲンさんが町民の方へ視線を投げかけると、町民達はみんな笑顔で頷いた。


「冬の温泉は最高っすよ!」

「雪を見ながらの露天風呂なんか特に!!」


温泉……?

露天風呂……?