お姫様に花束を


「大丈夫です。
この町の自然は本当に素晴らしいんですから」


カノンはにっこり微笑む。


そんなカノンの表情を見て、ナツメ町の町民達も安堵したような表情を見せる。


「……信じて……いいんですか?
本当に……」

「……はい。
まず、私が責任を持って工事を中止させたいと思います」

「……カノン様……」

「……ありがとうございます……」


町民に笑顔が戻る。

カノンもホッとしたように胸を撫で下ろす。


そして、振り返り俺の方を見るカノン。


「……良かったな」

「……うん。
でも……本当の戦いはまだまだこれからだから……」


……そうか。

カノン一人の独断じゃなく……国王や気難しい大臣達を納得させなくちゃいけないのか。


「これからが……手強いのか」

「……まーたケチョンケチョンに言われるんだろうな……私」


恐らく国王や大臣達から言われるであろう言葉を想像して苦笑いするカノン。


「……政治とかのことに関しては口出しできないけどさ。
……でも、泣きたくなったら俺のとこに来いよ。
……自分の中に溜めこまなくていいから」


俺がそう言うと、カノンは柔らかに微笑んだ。


「……ありがとう」