「リオン?どうしたの?」
カノンが横から俺の手元にある写真を覗き込む。
そして驚愕した表情で写真を食い入るように見つめた。
「これ……さ、あれだよな……。
前、城でカノンが見せてくれた……」
「……コアブリー……」
夏に咲く……奇跡の花。
その鮮やかなブルーの花が写真一面に咲き誇っていて……
太陽に照らされて花びらがキラキラと光っている……。
「……城のビニールハウスで撮られた写真じゃないわね」
「……誰かがカノンみたいに育ててできた花畑……とか」
「それはないわ。
ああやって城で育ってるのも奇跡って言われてるぐらいだから。
コアブリーは人の手ではなかなか育たないの。
野生以外で育っているのは城のビニールハウス内のものだけとされてるわ」
と、いうことは………
「これは……野生のコアブリー?」
でも、コアブリーってコアブル王国のごく一部の地域にしか咲かないって……。
……その写真がここにあるってことは……まさか……

