お姫様に花束を


「……もう残りのページはないみたいだな」


海の写真でアルバムが終わったのを確認すると、俺はパタンとアルバムを閉じた。


「でも……どうしてこのアルバムだけここにあるのかしら……」


カノンが不思議そうにそう言う。


「他のアルバムは全部城に保管されてるんだっけ?」

「後世にまで残す大切なものだから。
……まぁ、何か理由があるのかも。
帰ったらウェルスに聞いてみる」


そう言いながらカノンはアルバムを引き出しにしまおうと手に取った。


……すると、アルバムの中から一枚の写真がひらひらと落ちてきた。


「あ……」


裏向きに落ちた写真を俺が拾い上げる。


「アルバムから剥がれ落ちたか」

「粘着力弱くなってるのかな」


そんなことを言いながら俺は写真を表向きにして、何の写真なのか確認してみた。


……そして、その写真を見た瞬間……俺は思わず息を呑んだ。