「……国王様の言葉は確かにカノンのことを傷つけてしまったかもしれない。
でも……俺には国王様がただ娘を傷つけるだけの酷い人にはどうしても思えない」
「………………」
「……お互いにちゃんと話さなきゃ分からないことだってあるよ」
……子供たちを見てこんな優しそうな表情をしている人が……酷い人だとは思えない。
きっと……何かがあるはずなんだ。
国王様がこの表情をカノンの前で見せなくなった、何かが……。
「……そう……かもね」
「……カノン」
「……この問題が解決したら……ちゃんと向き合ってみる」
カノンが写真を見つめながらゆっくりと口を開く。
「でも……」
……カノンは写真から視線を移し、俺の顔を見上げル。
「やっぱり少し怖いから……その時はリオンも一緒にいて……」
……カノンがすがるような目で俺を見つめる。
……そうだよな。
怖いよな……。
今までたくさん傷ついてきたんだもんな……。
「……分かった。
カノンの隣にいるから」
ちゃんと……そばにいるから。
俺がそう言うと、カノンは少し安心したように頬を緩めた。

