お姫様に花束を



王家の別荘へ連れていって。


それがカノンのお願いだった。


俺達はゲンさんの後について、この花畑の近くにあるという別荘へと向かった。


少し遠くからも確認できる別荘はコテージ風で木の温もりが感じられる、周りの自然にも合った建物だった。


しかし……


「……また貼ってあるのか」


ゲンさんはため息をつきながらドア前に貼られているビラを剥がした。


……俺達は別荘に貼られているたくさんのビラを見て唖然とした。


自然破壊反対、悪魔、この町から出てけ……などなど。

王家に対する批判が書かれていた。


「……これがナツメ町民の私達に対する声ね」


カノンは悲しそうな目をしながらも、しっかりと現実を見つめていた。


「仕方あるまい。
今や王家はナツメ町民にとっての敵じゃからの」


敵……。


「まぁ……もっとも、このわしも完全に信用したわけじゃないがの」


……ゲンさんはカギを開けながら静かにそう言う。

カノンはそんなゲンさんを複雑そうな目で見つめていた。