「……本当にごめんね。
私のワガママに付き合ってもらっちゃって……」


私がそう言うと、リオンは小さく笑った。


「今更だな。
……気にしなくていいよ。
俺がカノンを一人で行かせたくなくて付いてきてるだけだから」


リオン……。


「それに……なんか旅行みたいでちょっと
楽しんでる自分がいるし」

「え……」


旅行……?


「あ、ごめん。
カノンは仕事で行くっていうのは分かってるんだけどさ……って、カノン?」


旅行って……。

ふ、二人だけで……。


急に意識してしまった私は赤くなったであろう顔を隠すように俯いた。

リオンはそんな私を不思議そうに見ている。


「どうした?」

「え……あ、いや……」


……変に意識して……は、恥ずかしい……。