「あ、あの……」
私は慌てて女性に話しかける。
マズい……。
ここでバレたら……。
でも、私の思いとは裏腹に女性はにっこりと笑って店の奥へと入っていってしまった。
「あの……?」
……バレてない?
それはそれで良いけど……
何か寂しい気もするけど……
すると、すぐに女性は戻ってきた。
可愛らしい麦わら帽子を持って。
「ほら、これをかぶりな」
「え……?」
私が戸惑っていると、女性は少し声のボリュームを落として私に言った。
「バレたら……困るんでしょ?」
あ……。
驚く私に女性は優しく麦わら帽子をかぶせた。

