お姫様に花束を



……走った。

私は……走った。

ただ一心不乱に……

だけど……確実にどこかに向かって……ただ走った。


……もう嫌だった。

限界だった。


あの城にいたくなかった……。

あそこにいたら……きっと、私は私ではなくなってしまう……。


……怖かった。

……苦しかった。


胸が張り裂けそうで……でも、あそこで涙を見せたら負けだと思って……


きっと、私が王女じゃなかったら……

……私が普通の娘だったら……

……きっと、私はこんな風に苦しむことも……なかったのに。


そんなことを思いたくはなかったけど……そう思わずにはいられなかった。