「そうだ、ウェルス。
私、リオンにお礼をしないと」

「お礼……でございますか?」

「そうだよ。
私、彼に助けてもらったの。
酔っ払いに絡まれていたところを」


私がそう言うと、ウェルスは目を大きく見開き、突然焦ったように私に近づいてきた。



「絡まれてって……大丈夫ですか!?
お怪我は……あぁ、私が不甲斐ないばかりに……!
申し訳ありません、カノン様!」

「だ、大丈夫……。
大丈夫だから落ち着いて……。
ウェルスのせいじゃないから……」


勝手に出ていった私が悪いんだから。


そう言ってもウェルスは心配そうに私を見つめている。


「ね、だからリオンにお礼がしたいの。
何がいいかな……」


私はワクワクしながらいろいろと思考を巡らせた。


そんな私を見てウェルスは小さく笑いながらも一緒に考えてくれた。