「カノンが本気で入れ込んでるからどんなヤツかと思ったけど……。
……本当に普通の庶民だな」
……本当に何なんだよ。
ていうか……
「……何しにいらっしゃったんですか、ディラン様」
嫌味言いに来たのかよ……。
「……カノンにはもう近づかないでくれ」
「……は?」
思わず間抜けな返事をしてしまった。
あまりにも突然そんなことを言われたから、驚いた。
「何言って……」
「カノンはあと数年もすればこの国を統べる女王になる。
君みたいな庶民と一緒にいたらカノンはダメになってしまう」
ダメって……。
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