お姫様に花束を


とりあえずディラン様を家の中に上げた。

こんな狭い部屋に……王族の方が……。

って……カノンもここに来たんだっけ。

俺の部屋に入る二人目の王族……。


「……狭いな」


俺の部屋に入るなり、ディラン様はそう呟いた。

……確かに狭いけど。

……何かムカつく。


口が裂けてもそんなことは言えないが。


「まぁ……庶民の部屋だったらこんなものか」

「なっ………」


……何なんだ、さっきから。

いや……まぁ、確かに庶民の部屋なんてこんなものだけどさ。


「君、仕事は何をしてるの?」

「仕事……ですか?
まだ学生なので……。
一応バーでバイトはしてますけど」


俺がそう答えると、ディラン様は馬鹿にしたように鼻で笑った。


「ハッ。
どこからどう見ても普通の大学生じゃないか。
カノンはこんなののどこを気にいったんだか」


……カノン?