お姫様に花束を


ガチャリと音をたててドアを開ける。

ドアを開けると、そこには俺と大して年の変わらなさそうな男が立っていた。

見た目は普通だが、どこか気品が漂っていた。


「あなたが……リオン・アルバート?」


突然、そんなことを聞かれた。


「……そうですけど。
あの……どちら様ですか?」


こんな人、知らないし。

でも……何かどこかで見たことがある気がする。


「これは失礼。
私はディランと申します」


ディラン……?

ディラン……。

……ディラン!?


「って……まさか……国王様の妹君の……息子さん?」


俺が目を見開きながらそう言うと、目の前の男……ディラン様はフッと小さく口元を緩めた。


「ご存知でしたか」


うわっ……え……何で?

何でディラン様がこんなとこにいるの?

俺……何かした?