お姫様に花束を


「な……何てことだ……。
お、俺はカノン様に無礼なことを……」


無礼って……。


「いや……カノンは特に気にしてなかったけど……」

「カノン様は気にしていらっしゃらなくても、俺は気にするんだ!」


お、おっちゃん……。


「だ、大丈夫だって……。
カノン、おっちゃんのこと良い人だって言ってたし……」

「え……。
ほ、本当か!?
本当にそう言ってたのか!?」

「あ、あぁ……」


俺が頷くと、おっちゃんはぱぁっと顔を輝かせた。

とても嬉しそうな顔だ。


「やはりカノン様はお優しい方だ!」

「はいはい……」