店と一体化してるおっちゃんの家に上がると、おっちゃんは俺の前に揚げたてのコロッケとお茶を出した。
「おっちゃん……?」
おっちゃんは俺の向かいに正座をして座り……見たことのないほど真面目な顔をしていた。
な……何だ……?
おっちゃん……どうしたんだ……?
「リオン……。
この前、カノン様と噂になったイケメンバーテンダーって……あれ、お前のことだよな?」
「え、あぁ……うん」
細かいことは報道されていないが、あれだけアパートの前にパパラッチがいれば、俺を知る人はすぐに俺だと分かる。
「……じゃあ。
……じゃあ……もしかして、この前お前が連れていた……あのカノンちゃんって子は……まさか……」
おっちゃんが緊迫した表情で俺を見る……。
「……そのまさか……です」
俺がそう言えば、おっちゃんは大きく目を見開き……口をパクパクさせた。