彼は、笑顔が眩しい人だった。 生まれて初めて、 こんなにたくさんの時間、 お父さん以外の人と話した。 彼が帰った後、お昼ご飯を運びにきた長谷部さんが、 「さっきの子、なかなかイケメンよね! 私、狙っちゃおうかしら、ウフフ」 長谷部さんは 成人した子供を持つ、 いわゆる『オバサン』である。 「また来るね」 といって帰った彼が、次来たらどうなることだろう。 そう思いながら私はお昼ご飯のお味噌汁をすすっていた。