ガチャ─── 「……あ、起きたか。」 部屋着姿の蓮が部屋に入ってきた。 「なななな何で、私ここにいるの!?」 「んー……俺が連れ戻してきたから。」 蓮は冷静に答える。 「何で……私は蓮の顔なんて……見たくないよ。」 下を向いて呟くように言う。 「………もう、帰る。」 私はさっきのことを思い出し、泣きそうになりながら立ち上がり、蓮の横を通り抜けて部屋を出ようとしたとき。 ガシッ─── 蓮が私の腕を掴んだ。