「…最勝寺さん?」 肩を揺さぶられるけど、そのまま私は寝たふりをしていた。 泣いてたのがバレたくない。 でも、本当はもっと私の名前を呼んで欲しい。 そういうふうに思ってしまった私がいて。 どちらかというと、名前をもっと呼んで欲しいって気持ちの方が強かった。 だから、やっぱり私は寝たふりをしたままで。 …こんなことするのは、ずるいかな? でも、それでも呼んで欲しい、なんて思ってしまうんだ。 「最勝寺さん?…寝てるの?」 頭の上で、先輩の少し残念そうな声が聞こえてきた。