ボソっと、本当に聞こえるか聞こえないかくらいの大きさだった。


先輩は、本当に小さな声で何か言った。


「はい?」


「っ、アドレス」


「あ、はぁ…。アドレスが、どうかしました?」


「…アドレス教えて」


「わ、私のですか?」


もの好きもいるもんだ…。


つい、口があきっぱなしになってしまった。


唖然として、なんて言ったらいいのか分からない。