昼休み。 なんとなく、1人になりたくて屋上に来ていた。 ここなら、学校全体を見渡せる。 私の、お気に入りの場所。 あ、校庭でサッカーしてる。 私は柵にもたれかかって、持ってきた小説を読み始めた。 今、主人公が自分の気持ちに気づく大事なシーンだ。 『あたし、高梨くんに恋…してるんだ…』 「…恋」 本の、恋という文字になぜか触れてみた。 『好きなの。高梨くんのことが』