奏のカゼも見事に治り、今日から元気に登校していた。 「久しぶりの学校は楽しいねー」 ウキウキした様子で話す奏。 一方私は、佐野先輩の答えについて悩んでいた。 『誠ちゃんの気持ちは、自分で気づいたほうがいいと思うな』 あれは、どういう意味なんだろう? 考えても、考えても分からない。 …ううん、多分、心のどこかでは分かってる。 でも、なぜか認めるのが怖くて。 「はぁ…」 私は、今日何度目か分からないため息をついた。