「……あれ妹だよ」 「え?」 桜井さんが顔を上げた。 「妹とケンカして……アイツ家飛び出していったから追っかけてたんだよ」 「……」 「そもそも俺、彼女いないし」 「ホント?!」 桜井さんは丸い目を更にまんまるにして俺を見つめた。 俺はうなずいた。 「なぁ、告白の返事今していい?」 桜井さんはきゅっと目を閉じ、うなずいた。 桜井さんも俺の気持ち聞くの恐いんだろう。 俺も、告白されるたび自分の気持ち言うの恐かった。 今も、恐いよ……。 でも、今言わなければ。 俺は拳を握った。