「バカ、兄貴は泣かねぇんだ、よ?!」 俺は公園から横断歩道を渡った所に生えてる木の後の人影に驚いた。 「どうしたの?…あ!逃げた!」 逃げた人影は……、桜井さんだった。 「泣いてたっぽかったよ?」 俺は黙っていた。 「お兄ちゃん何ボーっとつっ立ってんのよ!!追っかけなさいよ!!」 詩織が喝を入れた。 「おう、行ってくるわ」 俺は桜井さんを追っかけ走りだした。